とりとめもなくメモ(公務員試験向け

各種試験の本には参照条文がないものがあるけど・・・

憲法(人権部分)(公務員試験向けメモ)(作成中)

     
第3章 国民の権利及び義務
   
10 日本国民の要件〕 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。
  外国人の人権  
 
外国人の人権に関する次の文章のうち、最高裁判所判例の趣旨に照らし、妥当でないものはどれか。
 
 
1. 国家機関が国民に対して正当な理由なく指紋の押捺を強制することは、憲法13条の趣旨に反するが、
この自由の保障はわが国に在留する外国人にまで及ぶものではない。
 
    →×。最判平成7年12月15日は、「国家機関が正当な理由もなく指紋の押なつを強制することは、憲法13条の趣旨に反して許されず、また、右の自由の保障は我が国に在留する外国人にも等しく及ぶ」と判示
 
2. わが国に在留する外国人は、憲法上、外国に一時旅行する自由を保障されているものではない。
 
    →〇。最判平成4年11月16日は、「我が国に在留する外国人は、憲法上、外国へ一時旅行する自由を保障されているものでない」と判示
 
3. 政治活動の自由は、わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼす活動等、外国人の地位にかんがみこれを認めることが
相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ。
 
    →〇。最大判昭和53年10月4日は、「政治活動の自由についても、わが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ」と判示
 
4. 国の統治のあり方については国民が最終的な責任を負うべきものである以上、外国人が公権力の行使等を行う地方公務員に就任することは
わが国の法体系の想定するところではない。
 
    →〇。大判平成17年1月26日は、「外国人が公権力行使等地方公務員に就任することは、本来我が国の法体系の想定するところではない」と判示→〇。
 
5. 社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するかについては、国は、特別の条約の存しない限り、その政治的判断
によってこれを決定することができる。
 
    →〇。最判平成元年3月2日は、「社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するかについては、国は、特別の条約の存しない限り、…その政治的判断によりこれを決定することができる」と判示
     
11 基本的人権の享有と本質〕 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
12 自由・権利の保持義務、濫用の禁止、利用の責任〕 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
13 個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利の尊重〕 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
     
     
14 法の下の平等、貴族制度の否認、栄典の限界〕 ①すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
    華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
    ③栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
  法の下の平等  
     
     
     
     
     
     
     
     
     
  私人間効力  
 
私法上の法律関係における憲法の効力に関する次の記述のうち、最高裁判所判例に照らし、正しいものはどれか。
 
 
私人間においては、一方が他方より優越的地位にある場合には私法の一般規定を通じ憲法の効力を直接及ぼすことができるが、
それ以外の場合は、私的自治の原則によって問題の解決が図られるべきである。
 
    →×。判例三菱樹脂事件 日産自動車事件など)は、憲法基本的人権の保障規定について、もっぱら国または公共団体と個人との関係を規律するものであり、私人相互の関係に当然に適用されるものではないとし、公序良俗違反(民法1条、90条)など私法の解釈・適用を通して、間接的に憲法の趣旨を考慮するとしている(間接適用説)。
 
企業者が、労働者の思想信条を理由に雇い入れを拒むことは、思想信条の自由の重要性に鑑み許されないが、いったん雇い入れた後は、
思想信条を理由に不利益な取り扱いがなされてもこれを当然に違法とすることはできない。
 
     
 
私立学校は、建学の精神に基づく独自の教育方針を立て、学則を制定することができるが、学生の政治活動を
理由に退学処分を行うことは憲法19条に反し許されない。
 
    →×。最判昭和49年7月19日は、憲法は「私人相互間の関係について当然に適用ないし類推適用されるものでない」として、前掲三菱樹脂事件判例を踏襲した。また、政治活動するにあたって事前の届出義務を課す学則は「学生の政治的活動の自由に対する不合理な規制ということはできない。」とした上で、「退学処分の選択が社会通念上合理性を認めることができないようなものでないかぎり、その処分は、学長の裁量権の範囲内にある」とした。
 
性別による差別を禁止する憲法14条1項の効力は労働関係に直接及ぶことになるので、男女間で定年に差異を設けることについて経営上の合理性が
認められるとしても、女性を不利益に扱うことは許されない。
 
    →×。男女の定年について差を設けていたことが問題となった日産自動車事件では、結論として無効としているが、従来の間接適用説を踏襲して、民法90条により無効としており、「憲法14条1項の効力は労働関係に直接及ぶ」とはいえない。
また、当該判例では、当該差別について企業経営上の観点から合理的理由は認められないとして、無効にしているため、「経営上の合理性が認められるとしても、女性を不利益に扱うことは許されない。」とはいえない。
    男女の定年年齢に差を設ける就業規則は,性別のみによる不合理な差別を定めたものとして,憲法14条1項の規定の趣旨を参酌し,民法90条により無効と解すべきである
     
  衆議院議員の定数不均衡  
  衆議院議員の定数不均衡により違憲となった場合には、当該選挙は違法であり、無効となる。 ×。判例は、事情判決の法理に従い、選挙が違法である旨を判示するにとどめ、選挙自体はこれを無効としないこととするとしている。(最大判昭和51年4月14日)
  投票価値の不平等が、国会の合理的裁量の範囲を超えると判断される場合には、選挙は違憲・違法となるが、不均衡の是正のために国会に認められる合理的是正期間を経過していなければ、事情判決の法理により選挙を有効とすることも許される。 →×。
判例は、「人口の異動は不断に生じ、したがって選挙区における人口数と議員定数との比率も絶えず変動するのに対し、選挙区割と議員定数の配分を頻繁に変更することは、必ずしも実際的ではなく、また、相当でもないことを考えると、右事情によって具体的な比率の偏差が選挙権の平等の要求に反する程度となったとしても、これによって直ちに当該議員定数配分規定を憲法違反とすべきものではなく、人口の変動の状態をも考慮して合理的期間内における是正が憲法上要求されていると考えられるのにそれが行われない場合に始めて憲法違反と断ぜられる(最大判昭和51年4月14日)。」としている。
したがって、本肢は、投票価値の不平等が国会の合理的裁量の範囲を超えるという事情のみで選挙が違憲・違法となるとしている点で誤っている。また、合理的期間内には事情判決の法理を使用する必要はないのであるから(違憲・無効ではない)、その点についても誤っている。
  衆議院議員の定数が不均衡な状態であっても、不均衡の是正のために国会に認められる合理的是正期間であれば、違憲にならないことがある。 →〇。(最判昭和58・11・7)
     
15 公務員の選定罷免権、公務員の性質、普通選挙・秘密投票の保障〕 ①公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
    ②すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
    ③公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
    ④すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。
     
17 国および公共団体の賠償責任〕 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。
18 奴隷的拘束および苦役からの自由〕 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
19 思想および良心の自由〕 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
     
20 信教の自由、国の宗教活動の禁止〕 ①信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
    ②何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
    ③国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
     
     
21 集会・結社・表現の自由、検閲の禁止、通信の秘密〕 ①集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
    ②検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
     
     
23 学問の自由〕 学問の自由は、これを保障する。
     
24 家族生活における個人の尊厳と両性の平等〕 ①婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
    ②配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
25 生存権、国の生存権保障義務〕 ①すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
②国は、すべての生活部面について、社会福祉社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない
     
     
     
     
     
     
30 納税の義務 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。
     
31 31法定手続の保障 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
     
32 32裁判を受ける権利 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
33 33逮捕に対する保障 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。
34 34抑留・拘禁に対する保障 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。
35 35住居侵入・捜索・押収に対する保障 ①何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
    ②捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。
36 36拷問および残虐な刑罰の禁止 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。
37 37刑事被告人の諸権利 ①すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
    ②刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
    ③刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
38 38不利益な供述の強要禁止、自白の証拠能力 ①何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
    ②強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
    ③何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
39 39刑罰法規の不遡及、二重処罰の禁止 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
    □再審において,無罪判決を有罪にしたり,有罪とされた行為をより重く処罰すること(不利益な再審)は39条に反する
     
    32条にいう「逮捕」とは,犯罪の嫌疑を理由として身体を拘束すること一般を指し,刑訴法でいうところの「逮捕」に限られず, 「勾引」「勾留」「鑑定留置」なども全て含まれる。
    □34条の拘留された者の弁護人依頼権は,国が弁護人をつける義務まで負うことを定めたものではない。
    □共犯者の自白は,38条Ⅲにいう「本人の自白」に含まれないので,共犯者の自白のみで有罪にできる(判例)。
     
40 40 刑事補償 何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。
    □ある者が犯罪の嫌疑を受けて逮捕こう留され,公訴を提起されたが,公訴提起の手続が違法であるとして公訴棄却の判決を受けた場合,この者に対する抑留拘禁についての補償を受ける権利は憲法によって保障されている。
    →×。40条に関する問題。解説をみる方が,写すより良いと思ったので,解説参照。
    □ある者が犯罪の嫌疑を受けて逮捕こう留され,公訴を提起されたが,その犯罪につき大赦が行われ,免訴の判決を受けた場合,この者に対する抑留拘禁についての補償を受ける権利は憲法によって保障されている。
    →×。40条に関する問題。解説をみる方が,写すより良いと思ったので,解説参照。
     
     
     
     
    内閣総理大臣の任免は,天皇が行う。→×;天皇が行うのは「任命」のみ(6Ⅰ)。
    天皇の国事行為については,内閣は天皇に対して責任を負う。→3条の内閣の責任は国会に対するものである。
    □大日本国憲法に定められた人権規定はすべて法律の留保を伴っていた。→×;大日本国憲法第27,28条等